2024年8月8日に発生した宮崎県を震源とするマグニチュード7.1の地震は、南海トラフ地震の前兆ではないかとの懸念が広がりました。
この地震により、初めて南海トラフに関する「臨時情報」が発表され、改めて南海トラフに関心が寄せられています。
そこで今回は、
- 南海トラフとは何?
- 迫り来るその日に備えて知っておくポイント!
主にこの2つについて迫りたいと思います。
是非最後まで読んで行ってください。
それでは、早速本題に入っていきましょう!
南海トラフとは何?
南海トラフは、日本列島の南側に位置する深い海底の溝で、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む場所です。
この地域では、過去に何度も巨大地震が発生しており、これらは「南海トラフ地震」として知られています。
南海トラフ地震は、その規模と広範囲にわたる被害の可能性から、日本全体にとって大きな脅威となっています。
日本では震度1以上の地震が年間約2000回も発生しています。
世界で起きるマグニチュード6以上の地震の1~2割は日本周辺で発生していることから、日本は地震大国と呼ばれています。
南海トラフ地震のメカニズム
- プレートの沈み込み: フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む。
- ひずみの蓄積: プレートの境界が固着し、ひずみが蓄積される。
- 地震の発生: ひずみが限界に達すると、プレートが跳ね上がり地震が発生する
この地震の結果として津波が発生することも多く、沿岸部に甚大な被害をもたらします。
過去の南海トラフ地震
歴史を振り返ると、南海トラフでは約100〜150年の周期で巨大地震が発生しています。
代表的な例としては、1707年の宝永地震、1944年の昭和東南海地震、1946年の昭和南海地震があります。
これらの地震は広範囲にわたって甚大な被害をもたらし、多くの人命が失われました。
出典:気象庁|南海トラフ地震について | 南海トラフ地震とは
迫り来るその日に備えて知っておくポイント!
南海トラフ地震への備え
日本に住む私たちは、南海トラフ地震に対して「いつか起こるかもしれない」ではなく、「必ず起こる」という前提で備える必要があります。
私たちは今、この瞬間からでもできることから始めなければなりません。
以下に、すぐに実行できる防災対策をいくつかご紹介します。
1. 防災グッズの準備
- 自宅に食料や水、医薬品、懐中電灯、ラジオなどの防災グッズを常備しましょう。少なくとも3日分、可能であれば1週間分の備蓄を準備することが推奨されます。
- 昔のような乾パンと言われるものではなく、今は日持ちするものがたくさんあります。カンパンでも、乾パンではなく、缶パンというものもありますし、ご飯のパックやインスタントラーメン等も普段から備蓄しておくと良いと思います。普段から食べ慣れているものを用意するのも良いと思います。
- 非常用トイレや非常用の靴などもあれば重宝すると思います。
いつ来るからわからない大地震。
普段から備蓄して、古くなる前に消費して買い替えておくという習慣もあると良いと思います。
警視庁の方の紹介にある、コンパクトな非常用の「防災ボトル」など。
2. 家具や家屋の安全対策
家具の転倒防止や、建物の耐震補強を行いましょう。
特に寝室や居間など、長時間過ごす場所の安全確保が重要です。
3. 避難経路と避難場所の確認
家庭内や職場での避難経路を確認し、家族や同僚と共有しておきます。
また、近隣の避難場所も事前に確認しておきましょう。
特に家族での集合場所や連絡方法等等決めておくといいと思います。
4. 防災訓練の参加. 意識啓発
地域や職場で行われる防災訓練に積極的に参加し、実際の災害時に冷静に行動できるよう備えましょう。
地域や職場での防災訓練に参加することで、実際の災害時に迅速かつ冷静に行動できるようになります。定期的に訓練を行うことで、危機意識を維持し、防災意識の向上を図ることができます。
5. 地域コミュニティとの連携
近隣住民と協力して、災害時にお互いに助け合える体制を整えることが重要です。防災ネットワークを作り、災害発生時に迅速に情報を共有し、避難や救助活動を支援できるように準備しておきましょう。
公式の情報を普段から意識してみるのも大切だと思います。
南海トラフ地震は、日本における最大級の自然災害の一つです。
私たちは、このリスクに真剣に向き合い、備えることが重要です。
防災月間の今こそ、改めて自分の防災対策を見直し、できる限りの準備を進めていきましょう。
家の中での比較的安全場所であるデルタゾーン(窓際の柱の三角になるところ)や、公園や広い場所などの確認はしておきましょう。
耐震性の高いマンションなどは、逃げるより安全確保の方が良い場合があります。
急いで外に飛び出す事の方が怖いケースもありますが、古い建物の場合は、崩壊の危険性がありますので、ご自身の住む建物、仕事場などの建築年月の確認もしておくといいかもしれません。
6. デジタル技術の活用
防災アプリやSNSを活用して、災害時に必要な情報を素早く入手できるようにしておきましょう。これらのツールを活用することで、避難経路の確認や、救援情報の収集が容易になります。
緊急時に使う電話番号
- 110 警察。事故、事件。
- 111 発着信テスト。111番電話に発信します→自動ガイダンスが流れますので、その後に電話を切りましょう。→折り返し電話に出て、音声が聞こえれば回線の確認は完了です。
- 115 電報受付。
- 117 時報
- 113 故障受付。受話器を取ってもツーという発信音が聞こえない、話し中に雑音が入るなどの場合に問い合わせることができます。また、NTT東日本の電話サービスの故障受付はWeb受付でも利用できます。
- 118 海上での事件、事故があった時。
- 119 火事、救急。
- 141 留守番電話サービス。
- 142 着信転送。
- 144 迷惑電話対応。
- 148 非通知電話拒否。
- 171 災害時に通話ログを残す災害伝言ダイヤル。
- 177 天気予報。
- 184 非通知電話をかける。「184」+相手先電話番号:その通話に限り自分の電話番号が「非通知」にできます。
- 186 発信者番号を通知する。「186」+相手先電話番号:発信者番号を非通知にしている場合、その通話に限り自分の電話番号が「通知」になります。
- 188 消費者生活相談。買い物のトラブルに。
- 189 児童相談所全国共通ダイヤル。児童相談所への連絡・相談。
- ♯7119 病気や怪我をして病院へ行くか、救急車を迷ったら相談できる。
- ♯9110 犯罪や事故に当たるか分からないけど警察に相談していいかを迷った時に相談できる。
- ♯8000 子供の急病時、病院に行くか迷った時に相談できる。
- ♯9910 車で通行中に危ない道路の穴ぼこや落下物などの緊急事態を発見したら通報する。
- ♯8139 車の運転中にトラブルに遭った時にロードサービス(JAF)は助けを呼べる。
- ♯8103 性犯罪被害相談電話。
- ♯8008 DV相談電話。
- 0120-99-7777 チャイルドライン。18歳までの子供の為の無料相談窓口。
7. 心理的な準備も忘れずに
災害時には精神的なストレスが大きくなるため、平常時からリラックス方法を学んだり、家族や友人と心の支えとなる話をしておくことも重要です。
介護を必要としている家族がいたり、ペットがいるなど、避難所に身を寄せるのも困難な場合どうするべきなのか、普段から調べて対策をしておかないと大変だと思います。
8.地震保険の検討
地震による被害に備えて、地震保険に加入することも検討してください。
9.地震大国日本の地震の歴史を知ろう
1. 684年11月26日 – 白鳳地震 – マグニチュード:推定8.0〜8.4 震源:【南海トラフ】- 古代日本において記録されている最古の地震の一つで、四国・九州地方に甚大な被害をもたらしたとされています。
2. 869年7月9日 – 貞観地震- マグニチュード:推定8.6〜9.0 - 震源:三陸沖 – 東北地方に甚大な津波被害をもたらしました。2011年の東日本大震災と似た規模の津波が発生しました。
3. 1096年2月3日 – 永長地震- マグニチュード:推定8.0 - 震源:【南海トラフ 】- 平安時代に発生した大地震で、京都や奈良でも被害が記録されています。
4. 1361年7月26日 – 正平地震 - マグニチュード:推定8.4〜8.6 - 震源:【南海トラフ】 – 室町時代に発生した南海トラフ地震で、四国地方を中心に甚大な被害が発生しました。
5. 1498年9月20日 – 明応地震 – マグニチュード:推定8.6〜9.0 - 震源:【南海トラフ】 – 大津波が発生し、伊勢湾や駿河湾周辺で多くの犠牲者が出ました。
6, 1586年1月18日- 天正地 – マグニチュード:推定7.9 – 震源:美濃・尾張(現在の岐阜県・愛知県)
7. 1605年2月3日 – 慶長地震- マグニチュード:推定8.0〜8.1 – 震源:南海トラフ【南海トラフ関係】
8. 1611年12月2日 – 慶長三陸地震- マグニチュード:推定8.1 – 震源:三陸沖 – 津波による大規模な被害が発生しました。
9. 1703年12月31日 – 元禄地震- マグニチュード:推定8.2- 震源:房総半島南東沖- 江戸(現在の東京)に大きな被害をもたらし、津波も発生しました。
10. 1707年10月28日 – 宝永地震- マグニチュード:8.6〜9.0 - 震源:【南海トラフ】 – 東海・南海・西南海の三連動型地震で、広範囲に津波が押し寄せ、富士山の噴火(宝永大噴火)も誘発しました。
11. 1854年12月23日 – 安政東海地震- マグニチュード:8.4 - 震源:駿河湾- 東海地域で大規模な被害をもたらした地震で、津波も発生しました。
12. 1854年12月24日 – 安政南海地 – マグニチュード:8.4 【南海トラフ関係】 – 震源:紀伊半島沖 – 安政東海地震の翌日に発生した南海トラフ地震で、四国地方に甚大な被害をもたらしました。
13. 1855年11月11日 – 安政江戸地震 – マグニチュード:7.0 - 震源:江戸(東京)- 江戸時代に発生した大地震で、江戸(現在の東京)を中心に広範囲で甚大な被害をもたらしました。
14. 1891年10月28日 – 濃尾地震- マグニチュード:8.0- 震源:岐阜県・愛知県- 日本で記録された最大級の内陸直下型地震で、約7,000人が死亡しました。
15. 1923年9月1日 – 関東大震災- マグニチュード:7.9 – 関東地方を中心に甚大な被害をもたらし、10万人以上が死亡しました。
16. 1933年3月3日 – 昭和三陸地震- マグニチュード:8.4 震源:三陸沖 – 大津波により、三陸沿岸部に甚大な被害が発生しました。
17. 1944年12月7日 – 昭和東南海地震【南海トラフ関係】 – マグニチュード:8.1 – 震源:熊野灘 – 南海トラフ沿いで発生した大規模地震であり、津波や建物倒壊による被害が発生しました。
18. 1946年12月21日 – 昭和南海地震- マグニチュード:8.0 - 震源:紀伊半島沖 – 南海トラフ地震の一つとされ、昭和東南海地震に続いて発生しました。四国地方や近畿地方に大きな被害をもたらしました。
17. 1983年5月26日 – 日本海中部地 – マグニチュード:7.7 – 震源:日本海- 秋田県を中心に津波が発生し、多数の犠牲者が出ました。
18. 1995年1月17日 – 阪神・淡路大震災- マグニチュード:7.3 - 震源:兵庫県南部 – 神戸市を中心に甚大な被害をもたらし、6,000人以上が死亡しました。
19. 2003年9月26日 – 十勝沖地震- マグニチュード:8.0- 震源:十勝沖- 北海道で強い揺れと津波が発生しました。
20. 2004年10月23日 – 新潟県中越地震 – マグニチュード:6.8 - 震源:新潟県中越地方
– 多くの家屋が倒壊し、土砂崩れなどによる被害も発生しました。
21. 2007年7月16日- 新潟県中越沖地震- マグニチュード:6.8 – 震源:新潟県 – 新潟県柏崎市を中心に大きな被害が発生し、柏崎刈羽原子力発電所も影響を受けました。
22. 2011年3月11日- 東日本大震災 – マグニチュード:9.0 - 震源:三陸沖 – 日本史上最大の地震で、津波による大規模な被害が発生し、福島第一原子力発電所事故も引き起こしました。
23. 2016年4月14日 – 熊本地震 – マグニチュード:7.0(本震) – 震源:熊本県熊本地方- 複数回の強い揺れが連続して発生し、多くの建物が倒壊しました。
24. 2018年9月6日 – 北海道胆振東部地震- マグニチュード:6.7 – 震源:北海道胆振地方- 大規模な土砂崩れが発生し、多数の家屋が被害を受けました。
25. 2024年8月8日- 宮崎南部地震- マグニチュード:7.1【南海トラフ関係】 – 震源:北海道胆振地方 – 大規模な土砂崩れが発生し、多数の家屋が被害を受けました。
これらの歴史的な地震は、いずれもその時代において日本に大きな影響を与えました。特に南海トラフ地震は周期的に発生し、大きな被害をもたらしているため、今後も注意が必要です。
地震大国である日本に住む私たちは、日常的に地震のリスクと向き合わなければなりません。
それにもかかわらず、多くの人々が地震のリスクを軽視し、具体的な備えを怠っているのが現状です。
南海トラフ地震に対する備えは、ただ単に「いつか起こるかもしれない」という認識にとどまるのではなく、「必ず起こる」という前提で行動するべきです。
例えば、2011年の東日本大震災では、多くの人が事前に予測されていた津波に対する警告を十分に受け止めず、結果として多くの命が失われました。実際に被災した方々の中には、「もう少し準備していれば」「もっと真剣に受け止めていれば」という後悔の声も少なくありません。
日本は、それらを教訓として繰り返さないという意識は高いです。
誇るべきことです、助け合う精神も高いと思っています。
まとめ
今回は、南海トラフ地震の基本的な情報と、今すぐにでも取り組める防災対策をと知っておくべきポイントをまとめました。
「知ろうとするのか、知らないふりをするのか」――この選択が、南海トラフ地震が発生した際に、私たちの命を守るかどうかを左右するかも知れません。
地震のリスクに対して無知であることは許されないと思います。私たちは今こそ、現実に目を向け、できる限りの備えを進めるべきです。
これにより、地震リスクに対する認識を深め、具体的な行動に移すきっかけとなれば幸いです。
ありがとうございました!
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